『それでも恋するバルセロナ/ Vicky Cristina Barcelona』

スペイン好きなら見るでしょう、この映画。
タイトルにバルセロナって入っちゃってるんですから
とりあえず見てみるでしょう?

『それでも恋するバルセロナ/ Vicky Cristina Barcelona』
ということで、¥1,000-で観られるサービスデーを狙って
『サガン』に続き、またも渋谷Bunkamura「 ル・シネマ」へ。

バルセロナの雰囲気が味わえるかなぁ、と思っていたのですが、
お約束の観光スポットがチラッと出てくる程度で、ストーリーに関係してないような ?
< 今回はスペイン好きということで、辛口です。すみません。>

ただ単に「情熱の国スペイン」のイメージが欲しかっただけのような気がするんですよねぇ…
登場人物も、次々と女性を口説いて行くラテン系プレイボーイの
”フアン・アントニオ”(ハビエル・バルデム)や、情熱的というよりは
感情むき出しの激しい女性”マリア・エレーナ”(ペネロペ・クルス)が出て来て、
ひと夏のバカンスだし、「情熱の国」だし、
そりゃあ、恋に落ちるでしょ って?  浅過ぎじゃないですか?

実際、バルセロナの制作会社から「制作費を出すからバルセロナで映画を撮る気はないか」
と尋ねられたことから始まったみたいだし、
「バルセロナを舞台にした映画の題材を考えたんだけど、まったく思いつかなくてね」
なんて語ってるし。
(ストーリーが出来上がる前に、ペネロペ、ハビエル、スカーレットの出演は決まっていたらしい。)

この作品では、色々なタイプの登場人物の恋愛観、価値観が比較されながら
展開していくのですが、根底に描かれているものとしては、
『これ以上は無いと思える理想的な環境も、何かの要素が入れ替わるだけで
とても耐え難い環境になることもあるのだ。』ということなのかも知れませんね。
大胆な面と臆病な面、安定した生活と刺激的な生活。
人間が持つ二面性を描いているところは共感出来ました。

そうそう、エンドロールの時に流れるスパニッシュギターの調べは
なかなか素敵でしたよ。

           

『それでも恋するバルセロナ/ Vicky Cristina Barcelona』
監督:ウディ・アレン
出演:スカーレット・ヨハンソン ハビエル・バルデム
    ペネロペ・クルス レベッカ・ホール

2008年/アメリカ・スペイン/96分