東京というところ

桜が咲き始める頃になると、これから進学や就職で
新しい生活を始める人の姿が気になり出しますね。
インテリアをあれこれと選んでいる姿や、生活雑貨を沢山買っている
姿を見かけると、こちらまでワクワクしてきます。
東京という所は各地から人が集まってくる所だから、
またこれから多くの人達の、それぞれのドラマが
繰り広げられていくんでしょうね。

僕も東京で暮らし始めてから、ずいぶんと長くなりました。

もうね、田舎で暮らしてた年数を、とっくに越えてますからね、
おまけに実家にもほとんど帰らないから、もうすっかり「東京人」ですよ。
すっかり『都会人』ですよ、、ねぇ。

東京って、建物とか交通とかが目まぐるしく変わるでしょ、
なんだか不思議な生き物みたいに、どんどん脱皮を繰り返して
新しい姿に生まれ変わっていくみたい。

僕が東京に出てきた時なんて、
上越新幹線がまだ乗り入れしてなかったし、(大宮止まり)
駅の改札で、駅員さんが切符にはさみを入れていたのだって
そんなに昔じゃないはずだよね、(大昔?)
東京タワーだって最初に見たときは高いなあ~と思ったけど、
今じゃ六本木ヒルズから見下ろしているもんね。

日々変わりゆく街はその時々で様々な顔を見せるけど、
それって、その時の自分の心のありかたが反映されているんでしょうね。

東京という所に憧れていた時期もあったし、
嫌悪感を抱いたこともあった。
そのたびに、なぜここにいるのかという事を考える。
なぜここに居続けるのかと…

これから先に何が起こるのかなんて誰にもわからないのだから、
オセロゲームのように白と黒とが一瞬でひっくり返る事があるかもしれない。
人の心も同じように。

「今」という状況にこだわり過ぎて自分というものを
見失わないように、柔軟に対応しなければいけないのかな。
まだしばらくはこの街で暮らしていくんだろうと思う、
街に馴染んで、とけこむように暮らすのもいい。
だけど、
ふらりと何処か、よその街に流れて行く、
そんな不安定な、不確定な気持ちも持ち合わせていたいと思う。
東京にこだわる理由もその時々で変わるほど曖昧で、漠然としているのだから。