「Let It Be」が染みるねぇ、

休憩を終えてバスに戻ると、ロヘリオがカーステレオに
CDをセットしているところだった。

私:「それ何?」

ロヘ:「ビートルズさ、スパニッシュギターの。」

へぇ~、スパニッシュギターが奏でるビートルズナンバーか、
ロヘリオはビートルズが好きなのかな?
まもなくバスは走り出したけど、そろそろ皆さんお疲れモードで
何となく静かな車内。
エンジンとタイヤがゴーっと低い音を響かせている、
窓の外には乾いた大地が広がっている。

ぼんやりと外を眺めていると、ビートルズの『Let It Be』が聴こえて来た。
スパニッシュギターの、どこか悲しげな、
それでいて 温かく包み込むような音色が染みてくる。

頭の中で歌詞を思い出しながら、
乾いた大地にしっかりと根を張っている木々を見ていた。

どんな環境でも順応する術は必ずあるということか、、
過去を振り返ったり、どうにもならないことを
くよくよと悩むより、今、そしてこれから何をしたいのか。
今置かれた位置にしっかりと根を下ろし、そのままの自分を受け入れる。

心のおもむくままに進んでいけば、
いつの日か、それまでの行動が一直線に繋がって見えてくるような気がする。
流れに逆らうのではなく、流されるわけでもなく、
自らの意思で流れて行く。

このツアーで知り合った仲の良いのご夫婦だって、
今までには「どうにもならないこと」をいくつも乗り越えて来たのかもしれない。
新婚さんのお二人だって、力をあわせて乗り越えなければならない事が、
これから先に起こるかもしれない。
「どうにもならないこと」を乗り越える術、、、『Let it be.』(なすがままに/そのままに)

♪~and when the broken hearted people Living in the world agree,
  There will be an answer  「Let it be.」
こんな荒々しい景色の所で かけるなよ、、ロヘリオ。
ナイス選曲、過ぎるぜ~。

そういえば『Let it be.』ってスペイン語では
なんて言うんだろう?

「そうだ、あとでロヘリオに聞いてみよう。」

グラナダまでは遠いのだ

さて、まったく観光もしていないバレンシアを後に
グラナダへ向かう朝がやってきた。

昨日、添乗員さんと打ち合わせをしていた「ロヘリオ」もスタンバイOK!
頼もしいなぁ、なんて思っていたら、

この朝やってきたロヘリオは
『今日は空港に行くのかい?』ってマジできいてきたらしい。
前日の打ち合わせは全く記憶に無いようで・・・
(今日はセニョ~ルの故郷グラナダに行くんだからーー)

あぁ、ロヘリオったら、ずっとこんな感じで最終日まで。
微妙にピントずれたまま、マドリッドまでお世話になりました。
さて、バスは順調に走り続け、
地中海沿いのルートから、しだいにシェラ・ネバダ(山脈)の
方角へと進んで行きます。

目の前に山が見えてきたりしますが、

これはシェラ・ネバダじゃないよ、
とロヘリオが言ってました。(シェラ・デ・マリアって言ってたかな?)

そして、またしても休憩タイムにはコーヒーを飲む。
これはカフェ・コン・レチェ(カフェオレ)

休憩のたびに飲んだり食べたり、
スペインは美味しいものが沢山あるから、いろんな所でちょっとつまんでみる。
写真は無いけど、ポテトも食べたしボカディージョも食べた、
タコのガリシア風(マリネ)に夢中になって
バスに乗り遅れそうになってたり・・・(内緒だけど)

食いしん坊万歳!

ハモン・セラーノはいろんな所にぶらさがってますね。
(本気で持って帰りたかったです、3本位。)

まだまだバスの旅は続きます。
バスの旅ばっかり書いて、観光スポットにいくまでに
力つきるかもしれません。

夏の冷たいスープ

スペイン通のお客様から「ガスパチョ」を頂きました。

ガスパチョ〔Gazpacho〕は、主にアンダルシア地方で食されていた
冷たい野菜スープで、暑い夏の栄養補給にバッチリです。
(暑くて食欲の無い時にも良いですが、梅雨のだる~い時期にも良いですね)

にんにくが入っているので、臭いには要注意ですが、
この瓶詰めのガスパチョは、そんなに気にならないみたい。
ズッキーニやパプリカをトッピングして、美味しくいただきました!
ごちそうさまでした~~

習い事

この夏、
おもいきって「習い事」を始めようかと思います。

何を習うかというと、、、

「スペイン料理」
ではなくて、
「スペイン語」をあらためて頑張ってみようか、と思いまして、
某スペイン語教室に行ってみたんです。

受付で、
「スペイン語は初めてですか?」って聞かれて、

「いえ、15~6年前に、こちらに通っていたことがあるんですけど…」って言ったら、

「それじゃあ、入会金は結構ですので、」
ということになりまして、なんだかお得な気分です。

しかし、
このブランク、なんとしても埋めなければ。
入門グループレッスンからやり直して、一気に加速したい、
などと甘いことを考えながら、この夏、燃えてみたいと思います。

来年は「喋り」に行く、スペインに。
バルのオッチャンとお友達になりたいのさーー。

チキンのパエリャ(バレンシア)

やがてバスはホテルへと到着して、、
ここまでドライバーを務めてくれたステファンとも、ここでお別れだ。
なんだかいい奴だったな、また一緒にスペインをまわってみたいな。
「元気でね、ステファン」
この日はバレンシアのホテルで一泊して、
翌朝には次の目的地、グラナダを目指します。
と、いうことはバレンシア観光は無し、というわけですか?、、、あれ?

気を取り直して、

さて、バレンシアといえば、オレンジ! も有名ですが、
ここはパエリャ発祥の地でもあるんですね、、
日本では、海老やムール貝の乗ったシーフード・パエリャがおなじみですが、
元祖バレンシア風パエリャは、ウサギ、鶏肉、蝸牛!などがメイン。
野外で、オレンジの木を薪にして作ったりするらしいですよ。

ということで、
バレンシアの夕食はチキンのパエリャが用意されていました♪
サラダを食べながら待っていると、
(ドレッシングは、オリーブオイル、ビネガー、塩、でお好きなように。)

出てきました、
(でっっかいんですけどもー、)

盛りつけも豪快で、ワクワクします。
(なんとなく朝日が登って来た雰囲気ですが、夜の8時頃だと思います)

本場のパエリャ(?)はオリーブオイルたっぷりで、
少しベタっとしていたので、オリーブオイルが苦手な人はダメだったみたい、
僕はもちろん完食して、残した人の分までいただきましたけどね。
みんなでワイワイ食事をしていたら、翌日からのドライバーを務めてくれる
「ロヘリオ」が挨拶にきていて、添乗員さんと明日の打ち合わせをしていました。

ロヘリオはグラナダ出身で、背の高いセニョール。

前日にわざわざ挨拶に来るとは、なんて真面目で律儀な人なんだろう!
と思いましたよ、、この時は、
この時だけは、ね・・・              (つづく)

バレンシアの青い空、「ステファン号」は行くよぉ~~

バルセロナを後に、バスはバレンシアをめざして走ります、
ああ、さようなら。サグラダ・ファミリア~~!

バルセロナの街を走っていると、バイクの数が多いなぁ、と思います。
車の間をビュンビュンとすり抜けて行きますよ、
おおらかに見えるスペイン人も、都会では案外せっかちなのかもしれませんね。

ここからバレンシアまでは368km、約5時間の走行です。

バスでの大移動については、乗り物酔いがホントに心配で、
”酔い止め”を毎日飲んでいたのですが、前の方の座席に座らせてもらったりして、
幸い気分が悪くなることも無く、スペインのダイナミックな景色を楽しむことが
できました。
この国は太陽の光が違うので、美しい風景が一段と鮮やかに映し出されます。
雲の色だって、(写真ではわかりにくいのですが、)白い雲が、
鮮やかな水色に見えたりするんです、、、↓

この辺りは緑も多く、

ときおり海が見えたりして、寝ている暇がありません。
(旅行中、バスの中では常にカーテン全開で景色を眺めていましたけど。)

この海は地中海、遥か向こうにはマヨルカ島なんか、あるのかな?

走行中、ローマ時代の水道橋が見えて来ました。
バスの窓から、遠くに見える水道橋をカメラで狙っていると、
なんと、
ドライバーの「ステファン」がバスを路肩に止めてくれたんです。
そしてバスを降りると、みんなを眺めのいい場所へと案内してくれました、
けもの道を抜けて。

ありがとう、ステファン!
君って優しいんだね、、
ぽっちゃり体形のステファンが格好良く見えました。

バスの旅では、途中、途中でトイレ休憩をとらなければいけません。
ドライバーだって、安全運転のためには休憩が必要です、
みんながお土産屋さんを眺めている間、ステファンは
つかの間の休息を楽しんでいました。

コーヒーと、甘そうなタルトのようなものをつまみながら。

僕もコーヒー大好きなので、短い休憩でもつい頼んでしまいます。
お気に入りは「カフェ・コルタード」という、ミルクがちょびっとはいったもの。
スペインのコーヒーには大きな砂糖が付いて来るのですが、
それを、こちらの人は豪快にドバっ、と全部カップに入れて
かきまぜずにキュッと飲んでしまう。

後には砂糖が溜まっているんですけどね、、、
いやなんとも粋に見えるんです、その飲みっぷりが。
美味しいコーヒーで一息ついていると、
ステファンの所へ添乗員さんがやってきた。
なにやら気分が悪くなった人が出たらしく、
スーツケースの中の何かを出したいので、
バスの扉を開けて欲しい、ということらしい。

ステファンはにこやかに返事をして、タルトを頬張りながら出て行った、
「あー、お疲れさま、ステファン。がんばれ~」

しばらくして、バスの所へ戻ると、メンバーの何人かが日陰で休んでいた。
日向はジリジリと焼け付くような暑さでも、日陰に入るとひんやりと涼しい、
でも、
やっぱりこの力強い日の光を、できるだけ浴びていたい気持ちもあって、
僕は日向に出て思いっきり背伸びをしてみた。

バレンシアの、どこまでも青い空が気持ちいい。
ステファンも両手を広げて言う、
「これが、バレンシアの天井さ、」

いや、単純に「バレンシアの空」と言ったのかもしれないけど、
そのときの僕は、天井と思い込んでいた。
(だから、なんだか空が近くに感じたりして)

バレンシアの人の頭上には、常にこの大きな青い空がある、
昼も、夜も。
「だからこの土地の人は、おおらかで優しくなれるのかな、」

ぽっちゃりステファンの笑顔をながめながら、
そんなことを考えていたのでした。
「さあ、目的地までもう少しだよ、 Animo、 ステファン!」

ゴシック地区 (バルセロナ)

グエル公園を見た後は、パックツアーのお約束、
免税店へと連れて行かれたんですね~。
でも、革製品とかブランド品にはまったく興味が無いので、
近くにあるカテドラルに行ってみました。

ああ~、只今改装中。

で、行ってから思い出しましたよ、
「ここは、前に来たことあるぞ、」
前に来た時はここで、地元の人たちが輪になって踊っていたっけ。
「サルダーナ」というカタルーニャの踊り、
輪になって繋いだ手を上にあげて、
片足をぴょん、っと上げたりして、、
なんとも可愛らしい踊りなんですよ~~

もう一度見たかったなぁ。
『Mercat de Sant Josep』という大きな市場も近くにあったんじゃないかな?
行ってみたいけど、このツアーは とてもタイトなスケジュールなので
バルセロナでの自由行動は無しなんですね、残念でたまらない。
また絶対来るぞ、バルセロナ。

続いては、この旧市街・ゴシック地区の裏路地を通って
『ピカソ美術館』に向かいます。

狭い路地もなかなか歴史を感じさせて、いいもんです。

あ、虹が出た。

ピカソ美術館の前でもギターを弾いている人がいて、
細い路地にいい音色が響いていましたよ。
スペインの風景にはギターの音色が似合いますね、
とても心地よかったです。
(曲目は「One Note Samba」で、ブラジリアンな気分でしたけども)

さて、バルセロナの観光はこれで終了、
この後「タパス」をつまんでから、バレンシアへ向けてバスの旅は続くのでした。

大丈夫かな、、、

「岩手・宮城内陸地震」
今朝この報道を見てから、気になってしょうがない、
またしても大きな災害が起きた。
日本全国、どの地域で大地震が起きてもおかしくないというけれど、
多すぎやしないか、あちらこちらで。
一瞬にして生活が一変してしまう、そんな危機感は
すべての人の前にあるのだと自覚しなくては。

自然の力はとてつもなく大きいのだから。

スペイン旅行でご一緒させて頂いた
Sさんご夫婦、大丈夫でしょうか?

グエル公園 (バルセロナ)

サグラダ・ファミリアと並んで、ガウディの代表作として知られているグエル公園。
ここはもともとは、分譲住宅として計画され、
後に市の公園として寄付されている。
1984年にユネスコの世界遺産に登録された『アントニ・ガウディの作品群』の1つである。

実は、以前ここを訪れた時はちょうど改修工事中で、
モザイクのベンチ部分は、フェンスで封鎖されていて座れなかったのです。
今回どうしても訪れたかった場所でした。

力学的にも計算された曲線が作り出す美しいフォルムと、モザイクタイルの色鮮やかな世界。
こんなに素敵な造形が街の中にとけこんで、人々の生活空間の一部となっている。
素晴らしいことだなぁ、と思います。

この日は晴天に恵まれ、遠足に来ている子供達もたくさん、

木陰でギターを弾いている人がいたり、
曲目が『アルハンブラの想い出』でガッカリ。
(場所が違う~、完全にウケ狙い)

パフォーマーも頑張って稼いでいます。
(警官の警告にも挫けずに続けますよ)

サグラダ・ファミリアからの眺め (バルセロナ)

バルセロナの観光はまず、バスの車窓から町並みを眺め、

カサ・バトリョ(Casa Batlló)

カサ・ミラ(Casa Milá)
を回り、バルセロナのシンボルとも言えるサグラダ・ファミリアにやってきた。

この建物はまだまだ建設途中、建築現場の中を見て回るようなものだ、世界的に有名な建物の中で
建設に携わる人達が、雑誌を眺めながらのんびりとランチをしている。
こんな姿まで包み隠さず見せてしまうところが、この国のおおらかさ、力強さなのかも知れない。

塔の中にはエレベーターが設置されていて、楽に登ることができる。

塔と塔を繋いでいる通路に立つと、なんとも心地よい風が吹いてくる、
長い年月をかけて少しずつ成長を続けている石の塔、ひんやりとした石の感触を確かめながら
眺めていると、まるで時が止まったかのような錯覚を覚える。
次々と足早に通り抜けていく人達を横目に、バルセロナの街をずっと眺めてたいと思った。