『世界は「使われなかった人生」であふれてる』

世界は「使われなかった人生」であふれてる
沢木耕太郎 著

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タイトルに引き寄せられるように、
思わず手に取ってしまった一冊。

もし、あの時こうしていれば今頃は…
そう考えることは誰にでもあるでしょう、

映画のストーリーにもよく使われる「ありえたかもしれない人生」


でも、実際には過去には戻れない、ほろ苦い想い出と空想の世界。

「使われなかった人生」とは、
”あの時自分はそれを選ばなかった、使わなかったのだ。”
と意識したとき、初めて存在するもうひとつの人生、らしい。

「使われなかった人生」とは、「使わなかった人生」であり
今からでも使う事のできる人生ということらしい。
それは、現実的に未来に向けて、もうひとつの人生を選択できるということなんだろうか。

「使われなかった人生」
それは、誰にでも存在するもうひとつの人生、
”使う事”を選ばずに、
それでも心の奥に持ち続けているものはなんですか?

自由が丘にあるマンツーマンの美容室

美容室イニティウムヘアサロン自由が丘

”DAIKANYAMA T-SITE”

今日は初めて”DAIKANYAMA T-SITE”へ行きました。

ここはTSUTAYAが運営する「代官山 蔦屋書店」を中心にした複合施設で、豊富に揃えられた本、CDをスターバックスのドリンクと共にゆっくりと楽しむことができます。
代官山という場所柄、静かで落ち着いた”大人”の遊び場という感じで、何時間でも過ごせそうでした。

カフェ・ダイニングも併設されていたのですが、代官山には洒落た店が沢山あるので、途中で抜け出して辺りを散策。

かわいいカフェを見つけました。

ここも落ち着ける素敵な空間ですよ。

Yo cociné una tortilla espinacas y pulpo a la gallega.

『スペインバルブック』という本を最近買いました。
本場のバルの風景や、美味しそうなタパスの写真が沢山載っていて刺激的です。

美味しいスペイン料理を食べたいなぁと思いつつ、とりあえず自宅で
スペインオムレツ( tortilla )とタコのガリシア風(pulpo a la gallega)をつくりました。
(今回のオムレツは、ほうれんそう入りです。)
この本の中で紹介されているホウレン草のトルティージャは、卵6個とホウレン草1㎏
となっていたのですが、やっぱりジャガイモも入れたかったので
卵6個、ジャガイモ3個、ホウレン草2束(?)で作ってみました。
トルティージャには様々なバリエーションがあるので
また違うもので作ってみようかと思います。
↓定番の tortilla españolaの作り方
↓こちらはpulpo a la gallega

『赤い長靴』 江國香織

赤い長靴/江國香織


これは結婚10年目の”日和子”と”逍三”の物語。

日和子はおとなしいけれどよく笑う女性、
ごく普通の主婦がそうするように、日々の出来事を
逍三に話して聞かせる。

逍三はぬうぼうとした電信柱のような男、
驚く程マイペースなのか、コミニュケーション能力に欠けるのか、
日和子の問いかけに答える事は少ない。

結婚して10年、子供のいない二人暮らし、
まわりの人から見れば、ごく普通に、幸せに暮らしている夫婦。
子供を持つ家庭から見れば むしろ、二人の時間を楽しんでいる
仲の良い夫婦に見えることだろう。

夫婦として同じ家で暮らし、二人で食事をして、
休みの日には揃って買い物や、旅行にも出掛ける。

それでも、お互いに知らないことも多いのだ。
夫は会社で誰と会い、どんなことを話しているのか、
妻は今日 何処へ行き、何を見ているのか…

別々に過ごす時間の中でこそ、相手のことを想う、
目の前にいるときよりも、むしろ冷静に、情熱的に。
江國香織さんの作品には独特な空気が流れていて
不思議な空間へと引き込まれていく感じがする。
夢の中の出来事のようなシュールな感覚、
それでいて、登場人物の心理描写は恐ろしく現実的だ。
時が止まったかのように静かに、淡々と、心の奥のある
”ちいさな波”が描かれて行く。

僕はこの作品を読みながら、著者自身の結婚生活を綴った
エッセイ集『いくつもの週末』の一説を思い出していた。

「 私たちは、いくつもの週末を一緒にすごして結婚した。
 いつも週末みたいな人生ならいいのに、と、心から想う。
 でもほんとうは知っているのだ。
 いつも週末だったら、私たちはまちがいなく木端微塵だ。」
~ 今はまだ一緒にいる、いつか別れるときがくるまでは ~

そんな気配が ”江國作品”には流れているように思う。
あたりまえのように、ずっと一緒にいることも現実、
いつか確実に、別々の人生を歩むことも、また現実として受け止める。

矛盾する二つの感情をリアルに感じているからこそ、
普段気づくことのない”心の波”が見えて来るのかもしれない。
『赤い長靴』に象徴される、二人の絆と歪み。
最後には必ず辿り着く「ほんとうのこと」

日和子の言葉は逍三には伝わらない、
言葉は伝わらなくても、日和子の心は逍三に伝わっているのかも知れない。
何度も読み返すうちに、逍三のイメージが変わって行くから不思議だ。

~ 笑うことと泣くことは似ている ~

「どうしてあなたには言葉が通じないの?」
そう呟き、くすくすと笑いながら、
日和子はこの先も、逍三と暮らしていくのだろう。

雲をつかむような話

今日は、今ハマっている本をご紹介!
『クラウド・コレクター/雲をつかむような話』[手帳版]
(クラフト・エヴィング商會/ちくま文庫)
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昭和9年、
「クラフト・エヴィング商會」の先代、
吉田傳次郎が、ある科学雑誌にこんな広告を掲載していた。
「雲、売ります」
なぜ、傳次郎はこんな奇妙な広告を掲載したのか?
傳次郎の残した『アゾット行商旅日記』を手がかりに、
”クラフト・エヴィング商會三代目店主”である吉田浩美さんが
傳次郎の謎をひもといて行く。
すぐそこの遠い場所「アゾット」とは、いかなる場所なのか?
功名に仕組まれた”言葉遊び”から、シュールな世界が広がり、
雲をつかむような話の中に、物事の本質が見え隠れする。
「記憶」「忘却」「永遠」「すぐそこの遠い場所」「背中」…
すぐそこの遠い場所「アゾット」とは、いったい何処なのか?
もしかしたら、そこに行くと、
現実の世界の本当の姿が、見えてくるのかもしれませんよ。
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『すぐそこの遠い場所』
(クラフト・エヴィング商會/ちくま文庫)
↑そして、こちらは「アゾット」のガイドブックのような
『アゾット辞典』