Sagan / サガン ─悲しみよ こんにちは─

久しぶりに映画を観ました。

18歳の夏に書いた小説「悲しみよ、こんにちは」が世界的ベストセラーとなり、
莫大な富と名声を手にいれた 女流作家『フランソワーズ・サガン』
しかし、作品以上に注目されたのは、自由奔放に生きるサガン本人の人生だった。

自らの繊細さと聡明さ、プライドから生まれる「孤独」から必死に逃れるように
愛を求め続け、そしてその人生は破滅的な方向へと向かっていった…

18歳から69歳までの波乱に満ちたサガンの人生を描くには
2時間という作品の短さには無理があるように思えますが、
シルヴィー・テステューの演技力と、特殊メークの技術によって
本物の「サガン」を見ているような感覚になりました。

常に深い孤独から逃れる事ができず、愛を捜し続け、
物事には 必ず終わりが来ることを、人一倍意識しながらも
そのことを受け入れることが出来ず、癒されることの無い人生。
それは、作品の中で使われていたこんな言葉からも
感じ取れたのでした。
 『 みじめだ。寄り添う肩が欲しい、
   そのために人は愛するのだ。
   孤独から逃避するために。
   それを意識することこそ、本当の悲しみだ。』
あらためて、”人生に本当に必要なもの”を考えさせられる作品です。

原題│Sagan
監督│ディアーヌ・キュリス
出演│ シルヴィー・テステュー 、 ピエール・パルマード 、 ジャンヌ・バリバール
製作国│2008年フランス映画
上映時間│2時間2分