「Let It Be」が染みるねぇ、

休憩を終えてバスに戻ると、ロヘリオがカーステレオに
CDをセットしているところだった。

私:「それ何?」

ロヘ:「ビートルズさ、スパニッシュギターの。」

へぇ~、スパニッシュギターが奏でるビートルズナンバーか、
ロヘリオはビートルズが好きなのかな?
まもなくバスは走り出したけど、そろそろ皆さんお疲れモードで
何となく静かな車内。
エンジンとタイヤがゴーっと低い音を響かせている、
窓の外には乾いた大地が広がっている。

ぼんやりと外を眺めていると、ビートルズの『Let It Be』が聴こえて来た。
スパニッシュギターの、どこか悲しげな、
それでいて 温かく包み込むような音色が染みてくる。

頭の中で歌詞を思い出しながら、
乾いた大地にしっかりと根を張っている木々を見ていた。

どんな環境でも順応する術は必ずあるということか、、
過去を振り返ったり、どうにもならないことを
くよくよと悩むより、今、そしてこれから何をしたいのか。
今置かれた位置にしっかりと根を下ろし、そのままの自分を受け入れる。

心のおもむくままに進んでいけば、
いつの日か、それまでの行動が一直線に繋がって見えてくるような気がする。
流れに逆らうのではなく、流されるわけでもなく、
自らの意思で流れて行く。

このツアーで知り合った仲の良いのご夫婦だって、
今までには「どうにもならないこと」をいくつも乗り越えて来たのかもしれない。
新婚さんのお二人だって、力をあわせて乗り越えなければならない事が、
これから先に起こるかもしれない。
「どうにもならないこと」を乗り越える術、、、『Let it be.』(なすがままに/そのままに)

♪~and when the broken hearted people Living in the world agree,
  There will be an answer  「Let it be.」
こんな荒々しい景色の所で かけるなよ、、ロヘリオ。
ナイス選曲、過ぎるぜ~。

そういえば『Let it be.』ってスペイン語では
なんて言うんだろう?

「そうだ、あとでロヘリオに聞いてみよう。」