ヘアスタイルとファッション(服装)は密接な関係にあります。
そして、髪型の流行は常に服装の流れを追うように変化しています。私たち日本人の服装も時代とともに変化し、文明開化と共に西洋文化を取り入れ、着物から洋服へと変わりました。髪もそれに従って”洋髪”へと変わってきたのです。
1960年代にヴィダル・サスーンが世に広めた現代のヘアスタイルの基礎(ジオメトリックカット)は世界中の女性をヘアセットの煩わしさから解放し、美容業界に革命を起こしました。
しかし、このカット理論はあくまでも西洋人の骨格に合わせたもので、残念ながら、そのままでは東洋人の骨格には合わないのです。
平面的な骨格が特徴の日本人のヘアスタイルを、メリハリのある骨格を持つ西洋人のように作り上げるためには、日本人に合った独自のカット理論を用いなければなりません。日本人が西洋のモードを取り入れるためには、西洋人と東洋人の骨格の違いを補正する必要があるのです。洋服にも体型をカバーするデザインがあるように、ヘアスタイルにおいても骨格(頭蓋骨や首)を補正するデザインが日本人を美しく見せるためには必要不可欠なのです。
今、日本の美容師(美容室)に求められるのは、この基礎知識と想像力なのではないかと思うのです。