「愛おしいと思える髪」を育てる

「最近、髪の毛の調子がいいんです」

先日、抜毛癖のあるお客様が嬉しそうに話してくださいました。

「前回のヘアカラーがすごく良かったです。それと、不思議と髪を抜かなくなって、いい感じなんです」

抜毛症・抜毛癖をお持ちの方は、精神的に辛くなった時にストレスのはけ口として毛髪を抜いたり千切ったりしてしまうことがあります。このお客様も、時々酷く抜いてしまって「またやっちゃったんですけど…」ということを繰り返していたのですが、今回は綺麗な状態でのご来店でした。

前回のヘアカラーは今までの色ではなく、少し変えました。

毎回ダブルカラーで、ブリーチ+リキッドカラーまたはヘアマニキュアを使って「カーキよりの渋いグリーン系」が多かったのですが、前回は思い切って鮮やかなグリーンにしたのでした。

お友達や周りの評判も良かったらしく、ご自身も気に入っていただけたご様子。

「すごく綺麗な色なんで、(髪を)抜くともったいないと思ってストップがかかりました」

なるほど、ストレスと抜毛行動の連鎖を食い止めるには「髪を愛でる」ということも効果があるのかも。もちろん万人に効くわけではないと思いますが、自分の髪を好きになることで、衝動を抑えられることもあるのかもしれませんね。

私は医療関係者ではないので、治療ということには触れないようにしていますが、抜毛癖のある方の髪を「愛おしいと思えるようなヘアスタイル」に出来たなら…

もしかしたら、ストレスから抜毛行動への流れを阻止できるかも…?

抜毛症を抱えて悩んでいる人がいる。抜毛症と向き合いながら前向きに生きている人がいる。治療でも、カウンセリングでもなく、「愛おしいと思える髪」を育てることで、抜毛行動の連鎖を緩やかにできるかもしれない。

美容師にできることがまた一つ見つかりました。

これは新たなやりがいと責任、かな?

もっともっと素敵なヘアスタイルを作り上げることで、さらに一歩、お客様の幸せのお手伝いができればいいな。