「ヘアカット理論の基礎」をもう一度

服装やヘアスタイルは時代によって移り変わり、
それに伴いカット技法も時代によって変化してきました。

90年代頃から多用されるようになったカット技術に「シャギーカット」があります。
髪を削ぐように減らしたり、スキばさみを使って毛先に軽さを出す技法で、今のヘアスタイルは欠かせないものですが…

なんとなく、スキバサミに頼りすぎて、レイヤー(段カット)の重要性が忘れられているように思います。

再現性のあるヘアスタイル、メリハリのあるシルエットには、やはり計算されたレイヤー(髪の重なり)が必要不可欠です。

ここを省略して、梳きバサミでなんとなく凹凸をつけてアイロンで仕上げたスタイルでは、お客様の手には負えません。

1960年代「ヴィダル・サスーン」が世界に広めた現代のヘアカット理論の基礎(Geometric Cut -ジオメトリックカット)は、頭部を球体として捉え、点・線・面を幾何学的に展開して髪を切るという、バウハウスの建築思想に影響を受けた”建築的”な手法です。

梳きバサミを使わず、ブラントカットのみで形を作り、乾かすだけでまとまる「ウォッシュ&ゴー」というスタイルを作り上げ、世界中の女性をヘアセットの煩わしさから解放し、美容業界に革命を起こしました。

しかし、このカット理論はあくまでも西洋人の骨格に合わせたもので、残念ながらそのままでは東洋人の骨格には合わないものです。

東洋人の骨格は、頭の横幅が広く後頭部が平ら(絶壁)で、顔の形が平面的という特徴があります。平面的な骨格が特徴の日本人のヘアスタイルを、メリハリのある骨格を持つ西洋人のように作り上げるためには、日本人に合った独自のカット理論を用いなければなりません。


洋服にも体型をカバーするデザインがあるように、ヘアスタイルにおいても骨格(頭蓋骨や首)を補正するためには「日本人に合わせたレイヤー調整」が必要不可欠なのです。

今は「タイパ」「コスパ」と、何かと効率よく生きることが求められるスピード社会ですが、今一度基本に立ち返り、「建築物の基礎」のような部分に時間をかけ、知恵を振り絞って、ストレスのないヘアスタイルを提供して行きたいと思います。

INITIUM HAIR SALONでは、お客様お一人、おひとりの骨格や髪質を把握し、「的確なレイヤー調整」によって、髪本来の動きに無理なく馴染むよう、バランス補正を行います。ヘアカットから約1ヶ月経過する頃にこそ、自然なバランスと手触りの良さを実感して頂けるよう心がけております。